がん患者の立場で、大災害を思う

今日、9月1日 は防災の日です。Wikipedia によると、

「政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」こととし制定された啓発日で、日付は9月1日。毎年、この「防災の日」である9月1日を中心として「防災思想の普及、功労者の表彰、防災訓練等これにふさわしい行事」が実施される。また、「防災の日」を含む1週間を防災週間として、様々な国民運動が行われる。

と説明があります。近年、大地震 や 豪雨災害, 浸水災害, 台風災害 など、考えるだけでも恐ろしいなと思う様な災害が増えている印象があります。
特に、新型コロナウィルスの蔓延により、避難所の設営が難しくなっているなどの社会情勢は、免疫力が落ちている がん患者 にとっては、とても怖いトピックスです。

防災の日だから、と限定的に考えるのではなく、継続的に意識をもつ事が求められているのだと思います。

僕が、20代の頃。阪神地域で大地震が発生しました。阪神淡路大震災 を自分の感覚として知らない人も増えているのかな。と思うことがあります。

若く、正義感に溢れていた僕は仲間と、集められるだけの物資を掻き集め、車数台を連ね西宮市へ炊き出しに行きました。美しかった街並みは見る影も無いほどに崩れ、至るところから焦げ臭い異臭が漂っていました。もう30年以上の時間が流れているのに、今でもあの時の焦げ臭い匂いを忘れることが出来ずにいます。本当に衝撃的な光景でした。
地震や火災が、人命や生活、未来も奪い去り、明日を夢見る力すら奪いとってしまう残酷さを強く感じました。
20代のころ、西宮へ炊き出しに行った経験は、僕の人間性を磨く、強い原動力になった様な印象を持っています。いろいろみ意味で、参加して本当に良かったと思っています。

その炊き出しの時、仲間の一人が、火傷を負ってしまいました。最低限度の医薬品は持参して行ったのですが、手持ちの医薬品だけでは対処が難しい様な状態でした。
その時、助けて頂いたのは、陸上自衛隊の医官の方でした。火傷の対処と、数日分の薬を用意して暮れました。その時の薬は、自衛隊に保管されていた薬だと思われますが、詳細は分かりません。

大災害が発生すると、予想していた以上の苦難に出会うことがある。これも、この経験で僕が学んだことです。

現在、僕は 骨転移 のため、オピオイド鎮痛剤 (医療用麻薬) を使用しています。一般的な薬剤は、例えば自衛隊などが保管している可能性もありますが、オピオイド鎮痛剤 は平たく言ってしまえば、麻薬 その物です。
僕の様に、必要な人が正しく処方され使用する事は問題ではありませんが、正しく処方された方以外の方の手に渡ってしまってはならない薬です。(そのため、服用が終わった薬剤の入れ物も、病院や調剤薬局を通して回収するルールになっています。)

我が家でも、数ヶ月前に防災用のリュックを再整備したばかりなのですが、その時『薬どうするの?』と言う話になりました。
一般的な薬はまだ良いとしても、オピオイド鎮痛剤 は無くてはならない薬ですし、自治体や自衛隊が在庫を持っているとも思えません。

そこで、オピオイド鎮痛剤 を処方して頂いている病院の薬剤師に、その辺りのことを調べて頂きました。

まず、薬剤師 が持っている公式な情報によると、『大災害が発生した時、オピオイド鎮痛剤 などの特殊な薬剤が入手できず、困った患者さんは存在しない。』とされているそうです。現状に沿っているかは、疑問なのですけど・・・ 薬剤師 さんも言っていましたが、『本当に?』と思ってしまう事実です。
この情報は、全国の 薬剤師 が参照する公式なマニュアルによる物と言う事なので、全国共通です。

ここからは、僕が受診している病院ローカルな話しです。病院と言うよりも、主治医ローカルと言った方が良いかもしれません。
僕の主治医は、オピオイド鎮痛剤 を含め、全ての薬剤を、次回の受診日の日数の倍数以上を処方してくれます。そのため、常に必要量の倍量医療の医薬品が手元にある。そう言う状態を保つ事ができています。
そのため、意識している患者さんは、この余剰部分の薬から、数日分の薬を非常用として取り分け、新しく処方されたら新しい物と入れ替える。と言う方法を取る事で、大災害用の緊急医薬品に対処しているそうです。
少し、面倒ですが、非常用の医薬品を確保できるのですから、文句を言ってはいけません。

そして、『数日分』の日数ですが、薬剤師さんによると、過去の大災害では概ね3日後には全ての医薬品を入手することができる様になるそうです。
県内に在庫がなければ、隣県や他県から、薬剤師の情報網を用いて掻き集めることができるのだそうです。

つまり、最低限『3日分』できれば、『1週間分』程度、普段服用している薬剤を確保することができれば、大災害時でも医薬品に困ることはない。と言う事の様です。
もちろん、自分が服用している薬剤を明確に示してくれる、お薬手帳 が手元にあるのが大前提なのですけど。

僕は、防災用のリュックに、お薬手帳のコピーを入れてあります。3ヶ月をメドに新しいコピーに入れ替える様にしています。

僕には、阪神淡路大震災の炊き出しに参加した経験があるので、あの悲惨な状況下でどう生き延びなければならないのかを、なんとなく学んだ気がしています。もちろん、自分の体験としての経験では無いので、漏れはあると思いますが。全く意識がないよりもズットマシだと思っています。
その経験と、自分の今の病状を鑑みた上で調べた事柄です。一人でも多くの がん 患者さんの役に立てば。と願っています。

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