がんに関するよくある迷信と誤解

がんについて誤解していませんか?

海外がん医療情報リファレンス からの記事です。

がん はとても難しい病気です。しかも、命に直接的に関わっていくやっかいな病気でもあります。
がん の研究は日進月歩で進んでいますが、それが一般に知られるためにはそれなりに時間が必要になります。なかには古い説に基づいた、誤解に近い様な話しが独り歩きしている様な場合もあります。

このページに掲載されている質問とその答えは、がんのよくある迷信と誤解に関して、科学に基づいた見解を示しています。

ただし、このページの原文は 2014/02/03 に掲載された物と言う事なので、もっと新しい見解もあるかも知れません。

がんは死の宣告ですか?

米国では、1990年代以降がんによって死亡する可能性は着実に減少しています。乳がん、前立腺がん、甲状腺がんなどのがんでは、5年生存率は今や90%を超えています。すべてのがんを合わせた5年生存率は現在66%です。

単純に、『がんは死の宣告ですか?』と言う質問に答えるのは難しいかも知れません。たとえば、膵臓がん の様に発見時に既にステージ4まで進行している場合が高いがん種もあり、一概に述べる事が難しいためです。

原文にもある様に、がん種によっては確実に5年生存率は伸びていると思います。様々な治療法が発見されつつあると言う事もあるとは思いますが、初期の状態で発見される可能性が高くなっている事も大きく影響していると思います。

他の記事では、がんは治る病へなりつつある。と言う見解も述べられています。がん に罹患したとしても、治療を続けながら平均寿命を全うして行く人も増えつつある様です。
がん も多くの生活習慣病の様に、共に生きる様な病気になりつつあるのだと思えます。

参考

糖分の摂取によってがんは進行しますか?

いいえ。研究では、がん細胞は、正常細胞よりも糖分(ブドウ糖)を消費することが示されていますが、糖分を摂取することによりがんが進行することや、糖分の摂取をやめることでがんが縮小、消滅することを示した研究はありません。

この疑問を強く持たれている人は多い様です。元記事にもある様に、『がん細胞は、正常細胞よりも糖分(ブドウ糖)を消費することが示されていますが』と言う事から、糖分摂取を押さえれば、がん を栄養する材料も遮断できる。と言う考えや、それに似た物が存在しているのだろうと思います。

糖分(ブドウ糖)は、がん を栄養する原料にもなりますが、正常細胞を栄養するためにも必要な栄養素なので摂取しないと正常細胞にも不具合をもたらします。特に、脳はブドウ糖以外では栄養する事ができないため、がん に罹患していたとしても糖分(ブドウ糖)の摂取は必要になります。

元記事にもある様に、ブドウ糖の摂取を抑えても、がんが縮小する、消滅すると言う様な報告は存在しない様です。もし、がんが縮小したり、消滅する方法が見つかったのであれば、もっと大々的に広まっていると思われます。
逆説的に考えても、ブドウ糖の摂取量と がん を抑え込む事は無関係の様です。

ただし、糖分が多い食事は過度の体重増加の原因になり得ますが、がんによっては肥満が発症リスクの増加に関連します。

糖分は必要な栄養素ではありますが、過剰摂取による弊害もあるため、摂取量のコントールは必要になります。
また、糖分が直接的な要因ではなく、肥満が発症リスクを高めるがん種もあると言う事なので、摂取量のコントールががんを避ける事にも繋がる様です。

参考

人工甘味料はがんを引き起こしますか?

いいえ。人工甘味料(砂糖の代用品)であるサッカリン(商品名:Sweet ‘N Low、Sweet Twin、NectaSweet)、シクラメート、アスパルテーム(商品名:Equal、NutraSweet)、アセスルファムカリウム(商品名:Sunett、Sweet One)、スクラロース(商品名:Splenda)およびネオテームの安全性についての研究が行われてきましたが、人工甘味料がヒトにおいてがんを引き起こすといエビデンスは見つかっていません。シクラメート以外の人工甘味料はすべて米国食品医薬品局(FDA)によって米国での販売が認可されています。

人工甘味料と、がんの直接的な因果関係は存在しない様です。ただし、東洋医学的な観点では、人工甘味料は体温を下げる効果があると考えられている様です。体温低下は、免疫機能の活動を低下される方向に働く事が分かっているので、間接的にがんとの因果関係がある様にも思えます。

がんとは直接関係の無い研究の中には、人工甘味料を積極的に摂取しない方が良い。と言う事を示唆する論文もある様です。
これは個人的な考え方ですが、自然な糖分(ブドウ糖やショ糖, 果糖など)を摂取する様にし、人工甘味料の摂取量は極力抑えた方が良い様に考えています。

がんはうつりますか?

通常は、うつりません。がんは人から人に簡単にうつる病気ではありません。唯一、がんが人から他の誰かにうつるのは、臓器や組織移植のような場合です。過去にがんに罹患したことがあるドナーから臓器や組織を移植された人は、将来移植関連のがんを発症するリスクが高いかもしれません。しかしそのリスクも非常に低いもので、臓器移植1万件のうち2件ほどです。医師は、がんの既往歴があるドナーの臓器や組織の使用は避けます。

基本的には、がん はうつる様な病気では無い。と考えて問題は無いと思います。元記事にもある様に、臓器移植などかなり限定的な場合に限られていると考えて問題はありません。

そのため、完治したとしても がん に罹患した人は献血を行う事ができません。完治しているとしても、がん をうつしてしまう可能性があるためです。

参考

悪性腫瘍
悪性腫瘍の診断を受けて治療中の方はもちろん、悪性腫瘍の手術を受けた後の方も、たとえその術後経過が良好でも、原則として献血をご遠慮いただいています。

輸血を使用する場合も、輸血から がん などの病気に係るリスクは、ほぼ0であると考えて問題ありません。

人によっては、ある種のウイルス(いくつかのタイプのヒトパピローマウイルス(HPV)など)や細菌(ヘリコバクター・ピロリ)によりがんが引き起こされていると考えられます。ウイルスや細菌は人から人へとうつりますが、ウイルスや細菌が時として引き起こすがんは、うつる可能性はありません。

ウイルス や 細菌 によって引き起こされると言われている がん についても、その ウイルス や 細菌 が、がん を引き起こす事があっても、罹患している人からうつる事はありえません。

全てのがん腫に置いて、接触や入浴、キスや性行為などによって、他の人にうつしてしまう様な事は無い。と言われています。

ポジティブ/ネガティブである、などの心のあり方は、がんリスク、あるいは、がんから快復する可能性に影響しますか?

今まで、心のあり方が、がんの発症やがんによる死亡のリスクに関与することを示した有力な科学的エビデンスはありません。がんになれば、ある時には悲しみ、怒り、落胆を感じ、ある時にはポジティブになったり楽観的になったりすることは、普通のことです。ポジティブな人は、社会的なつながりを維持して活動的である傾向があるので、身体的活動を行ったり感情のサポートを得られたりすることで、がんに上手く対処できると思われます。

元記事では、心のあり方によって、がんの発症や死亡リスクが変化する様な科学的なエビデンスは存在しない。と示されています。

が、最近の研究では、心のあり方によって、がんの死亡リスクが変化するのでは無いか?と言う事を示す論文も存在する様です。科学的なエビデンスを得られるほどには研究は進んでいない様です。

がん と言う病気自体、人生を変えてしまうほどのインパクトがある病気です。告知を受けて直後から訪れるとされる、『魔の2週間』を経験する人も多い事は事実です。
十分な科学的なエビデンスが存在しない、と言うだけであって、心の持ちようが がん に罹患した人の生き方や、それに伴う死亡のリスクに影響を与えない、と言うのは余りにも乱暴な考え方だと思えています。

社会的なつながりを維持して活動できる様なサポートの充実が必要な事は当然の事と思えますし、がんに上手に対処するすべを持つことは、心の持ちようと切り離して考える事は難しいと思われます。

がんは、手術や腫瘍の生検によって、身体に広がりますか?

手術によってがんが身体の別の場所に広がる可能性は非常に低いです。生検 や手術で腫瘍を取り除く間、外科医は標準の手順に従い、特別な方法を用いて多くの段階を踏み、がん細胞が広がるのを防ぎます。例えば、もし身体の一カ所以上から組織を取り除かなければいけない時は、それぞれの部位に対して異なる手術の道具を使います。

例えば肝臓へ 生検 を行う場合などで、正常な肝臓へ広がってしまう可能性はゼロでは無い様です。医師は、その様な事にならない様に検査の方法を工夫するなど対処を行うそうです。

この様に、広がる危険性がある場合には、他の方法を試みるなどして、広がらない様な工夫をする事ができるそうです。

空気にさらされるとがんが進行しますか?

いいえ。空気にさらされて腫瘍の増殖が早くなったり、身体の別の部位に広がったりすることはありません。

元記事の通り、空気にさらされる事でがんの増殖が早まる様な事は無いそうです。

携帯電話はがんを引き起こしますか?

いいえ。これまで行われた信頼性のある研究によると、携帯電話ががんを引き起こすことは示されていません。がんは遺伝子の変異によって引き起こされますが、携帯電話が発生させるのは、遺伝子にダメージを与えない種の低周波エネルギーです。

この疑問も、古い知識に基づいた疑問の典型例の様に思えます。元記事にもある様に、携帯電話が発する電波によって、遺伝子に変異が起こるような事はありません。
自然界には、携帯電話以外にも様々な周波数の電波が行き交っていますが、その様な電波ががんへ影響を与える様な事は無いそうです。

電力線はがんを引き起こしますか?

いいえ。これまで行われた信頼性のある研究によると、電力線ががんを引き起こすことは示されていません。電力線は、電気エネルギー、磁気エネルギーのどちらも発生させます。電力線で発生した電気エネルギーは、壁や物によって簡単に遮断されます。電力線が発生させる磁気エネルギーは、遺伝子にダメージを与えない低周波の放射線です。

前の疑問の延長線の様な疑問です。高出力の電気エネルギーや磁気エネルギーであっても、通常生活する様な環境で発生している力で、遺伝子にダメージが与えられる様な事はありません。

電力線以外のも、日常生活の中で自然に受ける様な放射線でも、遺伝子に影響を与える様な事は無いとされています。

がんを治癒させるハーブ製品はありますか?

いいえ。ある種のハーブなどを含む代替療法や補完療法は、がん患者さんが治療の副作用に対処する助けとなることを示した研究はありますが、がん治療に効果があることが示されたハーブ製品はありません。実際、ハーブ製品の中には、化学療法や放射線療法の最中に摂取すると、治療の作用機序に干渉し、治療に有害となるものもあります。がんに罹患している患者さんが、ビタミン剤やハーブサプリメントなどの補完療法および代替療法製品の利用を考えている時は、主治医と話し合いましょう。

仮に自然由来のものであっても、ハーブなどの  代替治療民間療法 で、がん の治癒に繋がる様な物は存在しないと考えて問題はありません。そればかりか、予想が難しい 副作用 を生じさせてしまう場合もあるため、不用意に使用する事は避けた方が無難です。

いわゆる 標準治療 は、多くの時間と費用を費やし、また多くの患者の協力を得て得られた研究成果の積み重ねにより確立された治療方法です。また、どの様な副作用が発生しやすいのかも理解されていて、その対処方法も確立されています。
現時点で知られている、最良の治療方法であり、これ以上優れた治療法は存在しない。と考えて問題はありません。

ハーブ以外の、代替治療民間療法 の単用, 併用を含め、主治医と十分に話し合った上で使用の有無を決定した方が無難です。

当たり前の様な話ではありますが。ネット上には、ハーブ以外にも最新のち療法を謳うなどした怪しげな治療や、代替治療, 民間療法 の記事を見つける事ができます。藁を持つかみたい様な、がん患者の悲痛な思いを利用する様な商法の物も見受けられます。
どの様な治療法を選択するかは、患者の権利ですが、無駄な費用と時間を費やす事で、得るものが無いばかりか、悲しみも背負わされる様な場合もある様です。
親戚, 友人, 知人などからの紹介も含め、どの様な治療法を選択するのか良く考える事がとても大切です。

参考

もし家族の誰かががんであれば、私もがんになる可能性が高いですか?

必ずしもそうとは限りません。がんは、遺伝子の有害な変化(変異)によるものです。がんのうち、両親から遺伝した有害な変異によって引き起こされるのは5~10%にすぎません。がんを引き起こす遺伝性の変異を有する家族では、家族内のメンバーが同じタイプのがんを発症することがしばしばあります。これらのがんは「家族性」または「遺伝性」のがんと呼ばれます。

元記事にもある様に、遺伝的要素で発症する がん は、全体の 5~10% 程度、またはそれ以下の可能性が高いと言われています。
多くの がん は、細胞分裂の際の遺伝子のコピーミスによって発症すると言われています。また、その様にして発症した がん の全てが病気として明るみに出るわけではありません。初期がんの多くは、発症する事なく免疫機能により死滅しています。

ただし、直接的な遺伝性ではなく、生活習慣や食事の好みなどの影響により、がん の発症が増えてしまう可能性も否定する事はできません。これは、遺伝性とは別に意識して置く必要があると思われます。

残りの90~95%のがんは、加齢、または、喫煙や放射線といった環境的な要因にさらされた自然な結果として、生涯を通じて引き起こされた変異によるものです。これらのがんは「非遺伝性」または「自然発生」のがんと呼ばれます。

加齢, 喫煙, 放射線については、がん の発症を優位的に高める傾向がある事は科学的に立証されているそうです。この中で、喫煙は個人の努力で辞めることが可能なリスクです。

また、バランスの良い食事習慣や、運動習慣などは、がん の発症を優位的に抑える可能性があるとされています。

この様に、がん 発症のリスクは遺伝的要素以外にも様々な物がある事を抑えて置く必要があります。

参考

家族が誰もがんでなければ、私はがん発症のリスクはないということですか?

いいえ。最近のデータに基づくと、約40%の男女が、生涯のどこかでがんと診断されます。ほとんどのがんは、加齢、または、喫煙や放射線といった環境的な要因にさらされた自然な結果として、生涯を通じて引き起こされた遺伝子変異によるものです。どのような食べ物を食べているか、どれくらいの量を食べているか、運動をしているかどうかなどといった別の要因もがん発症のリスクに影響します。

この疑問も、前の疑問の延長線の疑問の様に思えます。がん の発症と、遺伝との関係は5~10%程度またはそれ以下と言われているため、家族の誰もがんに罹患した事が無いからと言って、がんに罹患する事は無いと考えるのは難しいです。

また、生活習慣として喫煙や運動習慣の少なさ、便秘傾向にあるなどの体質的要素、放射性などの環境的要因さまざまな要因により、がん のリスクは変わって行きます。更に、加齢により細胞のコピーミスは発症しやすくなり、がん化のリスクは高まります。

制汗剤や体臭防止剤は乳がんの原因になりますか?

いいえ。今までの信頼のおける研究によると、制汗剤や体臭防止剤で通常使われている化学薬品と、乳腺細胞の変化を関連付けるエビデンスは見つかっていません。

元記事にある様に、一般的な製品の使用で、がん化が進むと言う報告は無い様です。

過去に、一部の中国製製品に違法な化学物質が含まれていたと言う事例もあったので、常識的に考えて非常に安価で売られている商品は敬遠するなどの対策を取れば、より安全性を高める事は可能だと思われます。

染毛剤でがんを発症するリスクは高くなりますか?

染毛剤を使用することでがんのリスクが高くなることを示した信頼性のある科学的エビデンスはありません。ただし、いくつかの研究は、多量の染毛剤や他の化学製品に普段さらされている美容師や理容師では膀胱がんのリスクが高いことを示唆しています。

基本的には、染毛剤を使用してもがん化のリスクを高める様な事は無い様です。

これは、染毛剤だけに限った事では無いと思われますが、一部の化学製品や油脂などを大量に扱う職業に就いている人の、がん化リスクが一般的な人よりも高くなる傾向があると言う報告はある様です。
可能性がある方は、使用している薬剤の詳細を調べるなどして、対策を講じた方が無難だと思われます。

また、制汗剤 などと同様に、常識的な価格より安価で売られている商品は敬遠するなどの対策で、より安全な製品を使用する事に繋がる可能性が高まると思えます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする