がんは治る病へ

がんは治る病へ

がん は不治の病 から、治る病へと変わりつつあります。これは決して大げさな事では無いのかも知れない。
最後まで冷静に読んでいると、そう思えるようになるかも知れません。

がん患者はほぼ100万人

厚生労働省が2019年1月に公表した「全国がん登録」によると、2016年にがんと診断された人は約99万5000人で、100万人に迫る数字だった。

がん と診断された患者が、一定期間を経過した後に生きている割合を、がん生存率 と言う。
がん以外の死因を除いて算出された数値を 相対生存率 と呼び、治療などにより命を救えた人数を表している。

がん全体の数値に注目をするのはあまり意味がない。がん になった部位や、進行度ごとの数値に本当の意味がある。
これは、前立腺がん や 乳がん の様に、10年生存率が80%を超える がん もあれば、膵臓すいぞうがん の様にわずか 5%台の難治がんも存在するからである。

がんと診断されて5年後、3分の2の人は生きている

国立がん研究センターが2019年4月9日に公表したデータによると、2002年~2005年に がん と診断された約7万人の患者のうち、全体では 56.3%の患者が生存している。

部位別では、前立腺がん(95.7%), 甲状腺がん(84.3%), 子宮体がん(80%), 乳がん(83.9%)などの部位は生存率が高い。
一方で、胆のう・胆管がん(16.2%), 肝臓がん(14.6), 膵臓すいぞうがん(5.4%)と生存率が低い がん も存在する。

進行度合い別にみると、18種類の がん 全てで4期(原発巣から他の部位に転移している) の生存率が顕著に低い。

「オプジーボ」は難治がんに効き目があるのか?

標準治療 として、免疫療法 という新しい選択肢を示すことになった、「オプジーボ」は、皮膚がんの一種の 悪性黒色腫 が対象だったが、その後 肺がん や 腎臓じんぞうがん、胃がん などの がん に適用が拡大されて末期がん患者にも使われている。

しかし、現時点では 膵臓すいぞうがん などの難治がんに対する効果を明確に示すデータは示されていない。

この様に、単に『がん』と言う大きく括りで考えるのではなく、部位ごとによる違いが、とても重要だと言う事が分かってくる。

がんになりやすい高齢者ほど検診に行かない

「全国がん登録」など、多くのデータが がん 患者が増え続けていることを示している。
しかし、それを鵜呑みにするのは早計である。と著者は述べている。

がん は年代を問わず、誰の身体の中でも毎日多数発生しているが、免疫細胞がこれを退治して大きながん細胞になることを防いでいる。
しかし、加齢とともに免疫力は低下し、がんは発症しやすくなる。

しかも、がんは遺伝子のわずかな異常が長い間蓄積して細胞が無秩序に増殖する様になる病気なので、長命なほど発症リスクは高まることになる。

しかし、高齢者になるほど定期的な健康診断を受けることが減る傾向があり、体調が悪くなっても医療機関を受診しないケースが多く見られるようになる。
そのため、高齢者ほど早期発見が難しくなる傾向がある。

「生存率」は5年前の医療に基づくものだ

ここからが、この話しの本命であると考えて頂いて良い。

「生存率」と言う物は、あくまで1つの指標に過ぎないことを忘れてはならない。
しかも、「5年生存率は○%です」と言うのは、「あなたが5年後に生きている確率は○%」です。と言う意味ではない。
「5年前に診断を受けた患者100人のうち○人が生きていた」と言う事実を示しているに過ぎない。

5年生存率」と言うのは、5年前の医療レベルを基準にして、どの程度生きていたのか。と言うことを表している。
決して、現代の医療レベルに沿って語っている言葉ではない。

がん治療のレベルは確実に向上している。5年前には存在していなかった、免疫療法 が、標準治療 の1つとなりつつある。それほどに、治療のレベルは向上している。

現時点を基準と考えると、5年先にはどの様な新しい治療を受けられる様になっているのかも全く想像はできないだろう。
免疫療法 は、すでに 標準治療 の一角になっている可能性は高いし、難治がん にも対応できる薬が見つかっているかも知れない。
日本では遅れ気味だが、すでに欧米では活発な、運動療法 や、がんのリハビリ も、極普通に受けられる様になっているかも知れないし、全世界的に 標準治療 になっている可能性もあるだろう。

現時点では、まだ 治験 レベルの 光免疫療法 が一般化していて、がん も風邪の様な感覚で治療できる様になっているかも知れないし、もっと別の治療法が確立されている可能性もある。

当然のように、支持療法 も今よりもさらに拡充されていて、化学療法放射線治療 も今よりももっと楽に受けられる様になっている可能性は高い。

恐らく、手術療法 の精度も向上していて、入院期間も今よりもズット短くなっている可能性もあるし、全く新しい 手術療法 のスタイルが確立されていても不思議ではない。
現在では、寛解 を迎えるために、手術療法 は必要とされているが、放射線治療 のレベルがもっとあがり、手術療法 を選択するよりも、放射線治療 が第一選択肢になっていても不思議は無いかも知れない。

可能な限り、患者に負担が掛からない様な治療法が選択されるようになり、患者の 免疫力 が落ちたり、体力 が落ちることを避け、ハード的な面でもソフト的な面でもより良い治療法が選択できることが極自然になっている可能性はとても高い。

より、安全で安価に受けられる健診も開発されている可能性があるし、今よりも確実に早期の がん を発見できるように成っていても不思議はない。

5年生存率」の「5年」とは、過去の5年前を基準としている。と言う意味である。と言う事を良く理解して置いた方が良い。
そう考えると、「全国がん登録」などの統計も、本当に1つの指標にしか過ぎないことが理解しやすくなる。

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