がんの再発はいつまで心配すればいい

がんにまつわる素朴な疑問

分かっているようで、なにか曖昧ながんに関する素朴な疑問を集めたコラムがあります。
生涯で2人に1人がかかると言われる「がん」。でも、知っているようで、知らない事、良くわからない事もたくさんあります。医療現場に精通したジャーナリストと専門家によるコラムです。

『がんにまつわる素朴な疑問』

がんの再発はいつまで心配すればいい

5年生存率」と言う言葉を聞いた事があると思います。がんと診断された人が、5年後にどれくらいの割合で生きているかを示した数字です。

なぜ、5年と言う期間が設定されているのかと言うと、手術療法 などにより がん を残さず取り除くことが出来た場合、5年間経過すると 再発 する確率が少なくなところから来ています。
つまり、5年間経てば、まずは一安心と言うことになり、寛解かんかい と見なされます。ただし、乳がん については、5年ではなく10年が 寛解かんかい の目安となります。

すこしづつ積み重ねていく

手術療法放射線治療 により がん を取り除く事ができたとした時、まずはじめの1年を無事に経過することができるかが、とても大切な目安になります。悪性度 を無視しても、術後の1年間は身体の状態がとても不安定になっているため、がん 以外の病気を含め、なにがあっても不思議が無いほどに期間にあるとされています。
はじめの1年を過ぎるまでは、2ヶ月~3ヶ月に一度程度の検査を行いつつ、経過観察 を行います。また、どんなに小さな変化でも、身体に変化を感じたら主治医に告げる様にします。

1年間無事に経過することができると、転移 の可能性が多い 悪性度 が高い がん 患者の人でも、再発, 転移 の可能性が減り始めます。そして、術後 3年を目指します。
次の3年を過ぎるまでは、3ヶ月~4ヶ月に一度程度の検査を行いつつ、経過観察 を行います。この頃になると、患者自身も身体の安定感を感じられる様になっているはずです。もちろん、身体に変化を感じたら、主治医に告げることは同様です。

そして、5年(または10年)経過を目指します。この間は、6ヶ月~1年をめどに検査を行いつつ 経過観察 を続けます。体力的にも、もう術前と同様な状態に戻ってきていると思うので、小さな変化くらいなら自己免疫系などの力で跳ね飛ばすことができる様になっているはずです。

5年を経過しても、再発 の可能性は消えない

術後、5年(または 10年)を経過していれば、寛解かんかい の状態にあると見なされます。しかし、5年が経過したからと言って、もう 再発, 転移 することはない。という訳ではありません。身体の中に残っていた 微細ながん細胞が時間を経過してから増殖を開始する可能性も0ではありません。

がん には、寛解かんかい の状態に入っても、完治 は存在しない(血液のがんを除く。)と言われている理由です。

不安を感じる必要はありません

だからと言って不安を感じる必要はありません。良く考えて見てください。5年と言う期間は人生の長さと比較しても、十分に長い時間です。その間、病気に係ることが無い人は、そう多くはありません。また、はじめて がん と言う診察を受けた年齢にもよりますが、その頃と比較しても、体力や気力の低下があることは極自然なことです。

せっかく、手術 や 化学療法 と言う辛い治療を経験して来たのに、がん のことばかりを気にしている人生は、自らストレスを溜め込んでいる様な物です。ストレスの多い生活環境は がん が最も好む環境です。
辛い治療期間が終わったのに、自らまた がん が好む様な環境を作り出してはダメです。

5年間の 経過観察 で十分に健康的な生活を送って来たのです。それに自信をもって、ストレス が少なく健康的な人生を過ごして下さい。