いい外科医の選び方を教えてほしい

分かっているようで、なにか曖昧ながんに関する素朴な疑問を集めたコラムがあります。
生涯で2人に1人がかかると言われる「がん」。でも、知っているようで、知らない事、良くわからない事もたくさんあります。医療現場に精通したジャーナリストと専門家によるコラムです。

『がんにまつわる素朴な疑問』

いい外科医の選び方を教えてほしい

完治(寛解かんかい)をめざす時、一番重要になる治療法は、手術療法 です。化学療法放射線治療 を併用する 集学的治療 においても、最終的に 手術療法 にて腫瘍を取り除き、寛解かんかいをめざすと言う流れがとても大切です。(放射線治療手術療法 レベルの治療を行う場合もあります。)

どうせなら、名医と出会いたいと思うのは、どんな患者でも共通の思いです。では、どうすれば名医と出会うことができるのでしょうか。

目安は 手術数, 合併症率, 手術死亡率 と言った数字

『名医』の基準はいろいろとありますが、「質が高く、安全な手術ができる外科医」が名医の1つの基準となる事でしょう。その判断基準の1つとなるのは、手術数 です。

外科医はたくさん手術を経験しなければ腕が上がりません。また、地域で信頼されている外科医のもとには紹介患者が集まるので、手術数も必然的に多くなります。そのため、ご自分の病気に対する手術数が多い事が1つの基準となります。

次に重要なのが、「合併症率」や「手術死亡率」です。これらが低いに越したことはありませんが、大切なのは、その外科医本人が執刀した手術での数字かどうかです。手術数は病院のホームページで公表されていますが、「合併症率」や「手術死亡率」の具体的な数値はわからないの場合の方が多いので、外科医の診察を受けるときに、きちんと自分の手術経験数や自分の成績を話してくれるかどうか確かめるといいでしょう。自ら話してくれない場合には、質問しても問題はありません。
自信のある外科医なら明確な数値を教えてくれますし、その時の雰囲気も指標の1つとなるでしょう。

所属学会もチェック

特に大きな病院の場合、医師ごとに所属学会に傾向がある場合もあります。例えば、内視鏡手術を希望している場合、専門分野として内視鏡外科を明示していたり、関連学会の指導医, 専門医などの資格が多い医師は経験が豊富である事を示しています。
この情報は、ホームページから簡単に調べる事ができるので、大切な判断基準となるでしょう。

相性の良さ

腕前がいくら良くて、経験も豊富な医師であっても、患者さんやご家族との相性が悪いと、信頼して命を預ける気分にはなかなか成れない物です。患者も医師もごく普通の人間ですから、どうしても『相性』と言う物があります。
どうしても、イメージしている医師像とは違うと感じる場合には、思いっきて医師を変えてみる。と言う選択も必要なのかもしれません。

最終的に、この人に命を預けることができるのか、術後ケアにおいて自分の思っている事を素直に言う事ができそうか?と言う事を考えてみると分かりやすいかも知れません。

耳ざわりのいいことを言う医師には要注意

がん の種類などによって手術の難易度に差はありますが、どの様な がん であっても高度な技術が必要になる高度な手術となる事は間違えありません。当然、リスクもありますし、安全な手術など存在しません。

「簡単な手術です」「痛くありません」など、耳障りの良い事を言う医師には要注意です。
どんな小さなリスクであっても、正直に述べてくれる医師の方がズット信頼感はあります。当然の様に、リスクを理解している分、そのリスクをどの様に回避すれば良いのか、手術前にも手術中にも考えるのが名医と言えるでしょう。
患者や家族に安心感を与えたいと言う目的があるのかもしれませんが、あまりに耳障りが良い言葉が気になった場合にも、注意した方が良いと思えます。

外科医選びに妥協は必要ない

どの様な基準で外科医を選択するのかは、それぞれの感性によっても決まりますが、手術を受ける経験などそうそう多い訳ではありませんから、絶対に外科医選びに妥協してはいけません。