宗教のススメ

がん罹患 すると心が不安定になりパニックを起こす人もいます。俗に言う 魔の2週間 は告知直後だけではなく、たびたび がん 患者を苦しめます。

僕は、多くの人に『宗教』を勧めています。

実は僕自身 がん罹患 するまでは、ここまで宗教を大切にするタイプの人ではありませんでした。良くある日本人的な年中行事を淡々と過ごして居る様なタイプでした。
でも、自分自身の立ち位置を安定化させる必要性に気づいてから、病気とは無関係に生活の中に宗教が自然に介在する事はより自然な事であり、特別な事では無いと言う事に気づきました。
僕らがここに居ると言う事は、確実に先祖が遺伝子を繋いでくれていた。と言う事です。それは驚異的なことであって尊敬に値します。高祖こうそからの繋がりを考える上で、宗教は大切な立ち位置にあります。『命』や『死』と言う掴みどころの無い概念を、宗教は一気に解決してくれます。
そう言う繋がりの中で僕らは生きていて、日々を過ごしています。『命を燃やす』と言う事は『日々の積み重ね』の事なので、背景に宗教がある事はより自然な事です。無意識に感じている安心感に似た感覚も、こう言う背景があるからなのでは?と感じる様になりました。
先祖に、合掌を持って対峙たいじする事は、自分自身の『命』や『死』を考える事です。(そこまで、深く考えて居る人は余り居ませんが。)

宗教と言うと、なんか胡散臭うさんくさい物を想像される方も多いと思います。『宗教の力でがんを治す。』などと言って高額な壺を買わせるなどと言う話しも耳にします。病気と宗教と聞くと、どうしてもそう言うイメージを持ってしまいがちです。(これも、別の記事で紹介する予定ですが、想像の多くは『悪い』事に偏りがち。と言う傾向があります。)

ここで言う『宗教』はそう言う胡散臭うさんくさい物とは少し違います。

宗教の本質は『心の安寧あんねい』です。気持ちを落ち着かせて、安心感に包まれるために存在します。不安感をあおり立てる様な物や行為は、宗教とは言えません。
宗教と接する前に、宗教の本質を理解して置く事はとても大切な事です。

良く、『宗教をないがしろにしているから、がん になるんだ。』の様な言われ方をされる方も居ますが、健康な人でも毎日数万個の初期 がん ができています。病気となるまでの経緯は現代医学でも解明されていません。がん は実際に我々の身体で起こる現象です。必ず、科学的に説明ができる事です。科学的な説明ができない事を、精神論で言い切られる必要はありません。
この様な中傷的な言葉は、心にやすらぎを与える事なく、焦燥感しょうそうかんを与えます。宗教の本質は、『心の安寧あんねい』ですから、本質から完全にズレています。この考え方は、宗教とは程遠い物と捉えて問題ありません。

不安を宗教の力で取り除く事はできません。でも、より気持ちを安定させて、不安感を小さくする事はできます。
『心の拠り所』と表現すれば良いのでしょうか。こごで言う『宗教の力』とはそう言う物で、宗教を勧める意図の本質はそこにあります。

宗教の種類はなんでも構いません。お家が仏教徒であれば、その宗派でも構わないし、全く違う宗教でも良いと思います。
患者会 や 遺族会 の多くの、キリスト教をベースにしている団体が多い様です。

これは、別の記事で詳しく紹介しようと思っていますが、キリスト教をベースとしている患者会 や 遺族会 に参加しても、宗教活動に誘われる事はほとんどありません。
あくまで、基盤として宗教の精神が介在していたり、集会の場所が教会である。と言うだけの事です。患者会 や 遺族会 は宗教活動とは別の物です。敢えて言うなら、宗教活動の先に、この様な集いがあると捉えれば良いでしょう。

心の拠り所としての宗教は、人生の終盤を委ねるための宗教とイコールである必要はありません。
結果的に、改宗された人もいますが、まずは がん と言う病気と向き合って行く上での、心の拠り所として、しっかりとした背景を持ち『流されない様にする。』と言う事が大切です。

多くの場合、がん完治 する種類の病気ではなく、寛解 の状態を長く続けていく病気です。そう言う意味では、生活習慣病 と同様に捉えて問題はありません。治す病気ではなく、寄り添う病気です。
長期間勝負の病なので、治療のモチベーションを維持して行く方法をいくつも用意して置く必要があります。その1つとして、僕は宗教を勧めています。

がん の本質を知らない人を中心に、中傷的だったり、科学的根拠に寄らない事であったり、様々雑音が聞こえてくる事があります。その時、心に波が立つような気持ちを持ってしまう場合もあります。
そう言う時の、心の安定をはかるために、宗教はとても良い道具になります。

多くの宗教は『許し』を与えてくれます。『良いんだよ。』と語りかけてくれます。

この『良いんだよ。』は自分の心の中に直接届くメッセージです。自分で自分に言い聞かせる様な言葉にも似ています。その背景に、宗教がもたらしてくれる安念がある事で、気持ちが少し楽になります。

この『宗教のススメ』は、実は僕のオリジナルではありません。僕が参考にしている、がん の専門書や、仏教やキリスト教と言った宗教の本などに出てくる概念です。そう言う概念を僕なりに解釈し、より現実的な物として紹介しています。

がん だけに限った事ではありませんが、病気を治すためには、身体の不調だけに目を向けていても意味はありません。精神の不調も同時に整えていかないと、病気から抜け出す事はできません。
まして、がん や生活習慣病は寄り添う病気ですから、精神の安定性はとても大切です。精神が安定していないと、治療意欲も湧いて来ません。QOL の低下も招きます。

方法はいろいろあった方が良いのです。その1つとして、宗教があるのも良いと思っています。強く、優しく支えてくれる頼もしい相棒となるはずです。

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