がんで不幸にならない方法 #3

1000人以上にがんを告知した医師が語る「がんで不幸にならない方法」

文春デジタルに掲載されていた記事です。1000人以上の がん 患者に 告知 をして来た、がん の専門医である森山紀之医師によるインタビュー記事です。全3回の3回目です。

前向きな人ほどいい結果が出る

がん の治療では、精神の安定もとても大切である。と言う事を書きました。身体と精神のバランスが取れてないと、万全な状態とは言えない様に、がん 治療に置いても 精神 の安定はとても大切です。
別の記事で、『宗教のススメ』を書きましたが、精神の健康を含み、モチベーションを保つ方法は多いに越したことはありません。

分析もデータもありませんが、前向きな人ほどいい結果が出ることはあります。「なるようにしかならない」なんて、本当は医者なら言うべきではない言葉ですが、最後にどうなるかを考えてしまうと必ず悪い方を考えますから、「死ぬときは死ぬんだから」と開き直ることも、ある意味大切なのかなと思います。私の妻は透析患者です。透析をすることになると「あと何年生きられるの」「どれくらい苦しいのか」「むくみがひどいんでしょ」など、最悪の状況を心配する方が多いんですが、妻は「死ぬときゃ死ぬんだから」といって、落ち込んだり悪いことを考える代わりに、毎日明るく過ごしています。

人は産まれたからには、必ず死ぬ運命を持っています。冷静に考えたら、死なない人が居たら、その方がズットホラーです。
それでも、人は『今』に未練を感じます。その未練を持たずに済む人は、とても強いです。

「免疫力」を利用して、がん細胞への攻撃力を高める

第4の治療法として、免疫療法 が脚光を浴びています。その 免疫療法 についても、冷静に分析されています。

単にそういうわけでもないんです。免疫療法は、もともと体内に備わっている患者さん自身の「免疫力」を利用して、がん細胞への攻撃力を高める治療法です。今までどの治療法でも効果がなかった症状が改善したケースもあり、多くの医者が期待しています。しかし効果や副作用に関する科学的根拠はまちまちで、標準治療を上回る成績がまだ出せていないのが現状です。今はちょうど過渡期なので、まだ値段が高すぎるなどの課題も多く残っていますが、大きな可能性があることは間違いありません。世界中で研究が進んでいますので、この分野の研究は今後飛躍的に進んでいくと注目されています。

個人的には、免疫療法 に高い関心と、可能性を感じています。がん の『完治』がなし得るとすれば、免疫療法 による物になるだろう。と考えています。

しかし、現時点では過渡期であり、十分な エビデンス が纏まっていないと言う話しは、様々なメディアでも耳にしています。十分な成果が出ていないので、治療薬も高額で 治験 の域を出ていないと言う印象でもあります。

森山先生の解説でも、それは伝わってきます。

「緩和ケア」は死を待つ場所ではない,

緩和ケア についても、誤解があるな。と日頃から感じています。

緩和ケアは、将来苦痛が出そうな状況が見えてきた段階で考えるのがいいと思います。緩和ケアを終末医療と間違えている人も多いですが、緩和ケアは終末期か否かにかかわらず、がんに伴う体と心の痛みやつらさを和らげ、「自分らしく生きる」ためのものです。緩和ケアに行けと言われると「見捨てられた」と思う方がいらっしゃいますが、緩和ケアというのは死を待つ場所ではなく、今やりたいことをできるだけ長く続けるための場所だということを知ってほしいですね。

緩和ケア については、医師の中にも様々な捉え方をされている事を感じる事があります。僕の認識でも、終末医療 を行う場でなく、QOL を守りつつ現状を長く続けるための医療を提供する場だと考えて良いと思っています。
一般科と、緩和ケア の連携を取り、苦痛 や 副作用 を最小限度に抑えつつ、今選択できる治療を続けていくための医療と捉えるべきです。

そうですね。緩和ケアの医師は、痛みを取り除き、「その人らしい人生」を少しでも長く過ごせることを専門に行っています。外科医は「点」で短期間の患者さんを診ていますから、本来であれば、がんと診断された時から緩和ケア病棟に登録をして、医師と連絡をとりながら、治療を進めていくのがいいんです。私が以前国立がん研究センターにいた頃は、緩和ケア病棟で骨転移のある患者さんがゴルフに行くのをサポートしたり、患者さんの碁の相手を務めたりすることもありました。今までやってきたことが続けてでき、新しいことにも挑戦できる場所。それが緩和ケア病棟です。

がん 治療を考えた時、緩和ケア を上手に組み合わせて行く事は、QOL を維持すると言う意味でもとても意味のある選択肢です。

理由は良く分かっていませんが、気持ちを明るく持てる人は、治療成績も良いと言う事は現実的に起こっている事です。気持ちが明るくなれば、免疫系も活性化するし、食事や睡眠も安定する事でしょう。そう言う本来身体が持っているリズムを崩さない様に工夫することも、意味があるのかも知れません。
そう言う意味でも、がん 治療には未知の部分がたくさんあります。今後の研究に期待を持っていたいと思います。

患者の立場では、自分の状態を正しく把握し、様態を医療者に正しく伝える知識と経験を持ち、自分なりの治療方針と QOL を意識した上で、治療計画を立てていく。と言う事が最善と言って良いと思います。

がんで不幸にならない方法 #1
がんで不幸にならない方法 #2
がんで不幸にならない方法 #3

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